日本発着クルーズを開始して5年目にあたるダイヤモンド・プリンセス。船内では日本語を話すクルーが乗船していたり、日本語の船内新聞、それに日本食も食べられて、大浴場もあることから、「日本人にもっとも親しまれている外国船」と言われています。
ダイヤモンド・プリンセスの魅力とはいったい何でしょうか?また、ダイヤモンド・プリンセス乗船に関する素朴な疑問とそのお答えもご紹介します。
ダイヤモンド・プリンセスの概要は?
ダイヤモンド・プリンセスは、日本の長崎・三菱重工長崎造船所で誕生した船。日本で作られた船の中でも最大の船なのです。また、ダイヤモンド・プリンセスは、アメリカの船会社プリンセスクルーズが所有する船で、プリンセスクルーズは英国の船舶会社P&Oの傘下であるため、船籍は英国なのです。まさにインターナショナルな船ですね。
総トン数115,875トン、乗客総数2,706人、全長はなんと290メートルもあります。
ダイヤモンド・プリンセスの航路は?

では、ダイヤモンド・プリンセスはどんなところを航行しているのでしょうか?
日本発着クルーズでは、北海道とサハリン、石垣島と沖縄・台湾、ねぶた・よさこい・阿波踊りを見学と韓国、神戸-釜山5日間ショートクルーズなどのツアーがあります。
また、アジアとオーストラリア23日間など、ちょっと遠征するコースもあります。
日本発着クルーズなのに海外旅行なの?

ダイヤモンド・プリンセスは英国籍の船。そのため、日本の港から一歩船内に入るとそこは外国!パスポートが必要になります。
また、旅行保険も国内旅行でなく、海外旅行保険をかけることになりますので注意が必要です。
申し込みから乗船までのプロセスは?
旅行会社に申し込み
ダイヤモンド・プリンセスに乗るにはまず、申込みが必要です。ダイヤモンド・プリンセスには日本代理店がありますが、そこでは受付してくれないのでクルーズを取り扱っている旅行代理店、またはクルーズ専門の旅行代理店に申し込むことになります。
日本発着クルーズでもパスポートが必要!
その際には有効期間が6ヶ月以上あるパスポートが必要になりますので、まだパスポートを持っていない方は取得、期限が満たない方は更新の手続きをしましょう。なお、ほとんどの旅行会社は申込みをしてからパスポートを取得し、あとでパスポート情報を送付する方法でも大丈夫です。
申し込み金支払い
クルーズ旅行の申し込みは早く、1年後の旅行の申し込みをすることもザラです。半年後のクルーズの申し込みでももうすでに希望の客室が埋まってしまっているケースも多いので、できれば、旅行会社のメールマガジンやパンフレットなどが出るのをチェックして、希望のクルーズがあれば早めに申し込みをするのがおすすめです。
そして旅行会社に申込みをすると申し込み書類が送付されてきます。必要事項を記入し、パスポートのコピーを提出、後日、前金を払うと客室が確保されます。申し込み金はだいたいクルーズ代金の3分の1程度です。
代金全額支払い
出発まで75日を切りました。クルーズ代金の残りを支払います。なお、以降のキャンセルは取消料が発生し、船側と旅行会社側の両方に払わなくてはならないので大変です。
荷物発送
さあ、乗船日が近づいてきました。ダイヤモンド・プリンセスに乗船時には、有料となりますが(片道2000円程度)トランクなどの荷物を船に送付することができます。これはインターネットや電話で事前に佐川急便SGムービングに申し込んでおけば、港まで運んでおいてくれるというもの。
ただし、そのまま客室まで持っていってくれるというわけではなく、桟橋にて税関の手続きのために届いた荷物を受取り、また自分でチェックインが必要となります。そして、トランクなどの荷物には船から送られてきたバゲージタグ、そしてできれば別にネームタグをつけておきましょう。
Eチケット発券
乗船日が近づいてくるとプリンセスクルーズのHPからEチケットを発券します。これが乗船券になります。旅行会社から送られてくるのではないので注意が必要です。
http://www.princesscruises.jp/pdf/boarding_luggage.pdf
乗船日当日
さあ、いよいよ乗船日がやってきました。ターミナルに到着したら、送っておいた荷物をピックアップします。手荷物受付窓口で、乗船時用のバゲージタグに客室番号、名前(ローマ字)を書き込み、トランクなどに取り付けます。これで大きな荷物の受付は完了です。
なお、荷物にはアルコールの瓶などの割れやすいものや、ナイフなどの危険物を入れるのはNGです。
整理券配布
ダイヤモンド・プリンセスは2,000人強の乗客が乗船します。乗船時の混雑を防ぐために、チェックイン時用の整理券が配られます。
健康状態質問表記入
これはちょっとレアなのではないでしょうか?客船では乗船時に「健康状態質問表」というアンケートに記入します。
セキュリティチェック&手荷物検査
こちらは空港でもおなじみ、X線での手荷物検査、そしてセキュリティチェックゲートの通過という方法になります。忘れずに小銭や携帯電話を出しておきましょう。
いよいよチェックイン!
いよいよチェックインです。客室のカテゴリによって乗船時間は違いますが、だいたい上級客室の人は早く乗船するようです。また、身体の不自由で手助けが要る方なども優先レーンに進めます。それ以外の方は自分の番号が呼ばれるまで待ちます。
オンラインチェックインでプリントアウトしたEチケット、パスポート原本、パスポートコピー2枚、船内会計用クレジットカード、そして健康状態質問表を持って待ちます。
なおチェックイン時には「クルーズカード」という、いわば船内でのパスポートのようなカードを渡されます。裏面に署名をしましょう。
出国審査
まだまだ船には乗船できません。こんどは出国審査が待っています。ただし、次の寄港地が日本国内の場合、海外寄港地に入港する前に船内で行われます。
乗船
クルーズカードのバーコードを読み取って、なんと顔写真を撮られます。帽子、サングラスは取りましょう。これで晴れて船内へと進めます。
出港までのひととき

ブッフェレストラン利用可
乗船が完了してから出港まではまだまだ時間があります。その間リド・デッキ14のホライゾンコート(ブッフェ)で飲食ができます。ダイヤモンド・プリンセスでは、一部の有料レストランを除き、レストランでの飲食は代金に含まれているのです。
避難訓練
レストランでゆっくりお茶と軽食やお菓子をつまみ、ほっとしたのもつかの間、いったん部屋に戻ります。そう、避難訓練の時間が近づいているのです。部屋のドロワーに入っている救命胴衣をもって指定された場所へ向かいます。指定場所は客室のドアの内側に表示されています。また、時間は船内新聞でチェックします。
なお、国際法によって定められているため、乗船客は全員この避難訓練を受けなくてはいけません。所要時間は30~45分となります。なお、参加したかどうかは、クルーズカードのバーコード読み取りによってチェックされます。
出港
ここまでで慣れないとかなり体力が消耗しそうですが、晴れて出港です。船によっては出港セレモニーなどが行われる場合もありますので、デッキやバルコニーに出てみて下さい。
船内を探検してみよう!
晴れてこれでディナーの時間まではゆっくりできますが、ちょっと船内を探検してみましょう。ダイヤモンド・プリンセスの船内は広く、なんと18層に分かれています。これから数日間船内で暮らしていくにつれて慣れていくとは言え、どこになにがあるのか覚えるまでは大変です。
入り口のあるプロムナードデッキ7
まず、入り口があるのがプロムナードデッキ7私たちは7階から出入りしていたわけです。豪華なアトリウムやカウンターがあり、クラブやシアター、寿司バー、ショップなどもあるフロアです。
スカイデッキ17.18
船の一番高いところ、ちょっと細くなった部分のフロアです。ここには、スポーツコートとスカイウォーカーズ・ナイトクラブがあります。
スポーツ・デッキ16
シャッフル・ボード、チェスなどができ、温水ジャグジーもあるジ・オアシス、プラチナスタジオと大人の隠れ家サンクチュアリがあるフロアです。サンクチュアリは有料ですが、ふかふかのソファに座って休憩したり、ヘルシーなジュースを飲んだりできる大人の隠れ家です。
ブッフェレストラン「ホライゾンコート」がある、リドデッキ14
出港前にお茶と軽食をつまんだのがリドデッキ14にある「ホライゾンコート」。同フロアには、ホライゾンテラス、プール、ジャグジー、室内プール、ステーキハウス、ピザ屋、そして一部の客室があります。
野外ムービーも見られる「ムービーズ・アンダーザ・スターズ」サン・デッキ15
ダイヤモンド・プリンセスでは、サン・デッキ15で「ムービーズ・アンダーザ・スターズ」という野外スクリーンがあります。ここでデッキチェアーに座って映画を見ることができるのです。
同フロアには、室内プール、ティーン・センター、フィットネスセンター、ロータス・スパ、そして大浴場の「泉の湯」があります。スパ&ウェルネス系のフロアですね。
客室ばかりのフロアも!
アロハデッキ14、バハ・デッキ11、カリブ・デッキ10、ドルフィン・デッキ9、そしてエメラルド・デッキ8はほぼ客室ばかりがあるフロアです。アロハ、カリブ、エメラルドデッキにはランドリーがあります。ランドリーはまずコインを購入、持参した洗剤か購入した洗剤を使って洗濯します。料金は洗濯・乾燥がそれぞれ3米ドル、洗剤が1回分1.5米ドルです。料金はクルーズカードに加算されます。
フィエスタ・デッキ6
フィエスタデッキ6はレストランやカジノ、シアター1が入ったフロアです。無料のパシフィックムーン・ダイニング、サンタフェ・ダイニング、インターナショナル・ダイニング(後方)もこのフロアに入っています。
プラザ・デッキ5
大分、船の下のデッキまで下がってきました。プラザデッキ5にはアトリウムの吹き抜け、一部の客室とキャプテンズ・サークルデスク、フューチャー・クルーズデスク、そして無料のサボイ・ダイニング、ヴィヴァルディ・ダイニング、インターネットカフェも入っています。
ガラ・デッキ4
ガラ・デッキ4には医務室が入っています。中央の階段やエレベーターでアクセスします。医務室には船酔いのくすりも置いてあります。ダイヤモンド・プリンセスには、フィン・スタビライザーという横揺れ防止装置があり、揺れをあまり感じませんが、敏感な人だとめまいを感じたりする場合があります。その場合はくすりを処方してくれますが、高額となります。
心配な方はあらかじめ、トラベルミンなどの乗り物酔防止薬を持参するとよいでしょう。なお、オレンジジュース、牛乳などを飲むと酔いやすく、味噌汁は乗り物酔い防止になるそうです。
船内での食事は?
レストランは大きくわけて3種類!
船内での食事は、クルーズ中最大の楽しみと言っても過言ではありません。レストランは大きくわけて3種類、メイン・ダイニング、スペシャリティー・レストラン、カジュアル・レストランです。
メイン・ダイニングは5つ、スペシャリティー・レストランは4つ、そしてカジュアル・レストランは5つ、計14個ものレストランがあります。有料なのはスペシャリティー・レストランと(要予約&カバーチャージがある場合もあり)、メイン・ダイニングなどのミネラルウォーター、カプチーノ、エスプレッソなどです。普通のタップウォーターやレギュラーコーヒー、紅茶は無料です。
ちょっぴり心配!フォーマルナイト
また夕食時7日間のクルーズで2回ほどは、メイン・ダイニングで「フォーマルナイト」があります。近頃増えているカジュアル船などでは、このフォーマルナイト自体がない場合もありますが、ダイヤモンド・プリンセスはプレミアム船なので、しっかりフォーマルナイトはあります。
ドレスコードを守り、雰囲気を壊さないようにしましょう。なお、必ずしもメイン・ダイニングでフォーマルナイトに参加しなければならないのではなく、その日の体調や気分に合わせてカジュアルレストランなどで食事を摂ることも可能です。しかし、日々の生活の中で、そうそうある機会ではないので、この機会にコスプレ感覚でフォーマルナイトに挑戦してみるのもいいでしょう。
スペシャリティー・レストランって?
飲食が無料の船内ですが、有料でちょっとプレミアムなレストランで食事をすることもできます。ダイヤモンド・プリンセスには、プレミアム・レストランが4つあり、イタリアンのサバティーニ、寿司・刺し身の海(Kai)、ステーキとシーフードのスターリング・ステーキハウス、シーフードのクラブ・シャックです。
どれも評判のいいレストランですので試してみるのもいいでしょう。
一番ヘビロテ?カジュアル・レストラン
船内のカジュアル・レストランはひょっとしたら一番お世話になるレストランかもしれません。カジュアル・レストランは5つあり、ブッフェ、ピザ、ハンバーガー、アイスクリーム、そしてコーヒーと軽食の店があります。
このうち、ロビー・バーのコーヒー、ピザ、ハンバーガー、アイスクリームの店のバーカウンターの飲み物(水を除く)だけは有料で、あとは無料となります。ホライゾンコートのドリンクバーも無料、部屋への持ち帰りもOKです。
船内エンターテイメントは?
ダイヤモンド・プリンセスの船の中って退屈なんじゃないの?と思う方もひょっとしたら多いかもしれません。しかし、船内では毎日ぎっしりとエンターテイメントやクラフト教室、ダンス教室などが行われています。特にエンターテイメントはブロードウェイ級のダンサーが繰り広げるショーやマジックショーなどが見もの!ダンスも社交ダンスだけではなく、ラテン系音楽でノリノリのZumbaエクササイズ、ヨガなども行われます。また、フィットネスジムでは最新鋭のマシーンが並んでいます。プールも屋外と室内があり、年中入れます。レストランで蓄積したカロリーは、フィットネスで消費するというのが、賢いクルーズファンのあり方です。
エクスカーションって何?
プリンセスクルーズにかぎらず、寄港地で下りて観光するツアーを「エクスカーション」といいます。
事前に申し込んだり、空きがあれば乗船してから申し込んでも大丈夫な場合もあります。クルーズ旅行の申し込み時に「クルーズのみ」とあるのは、このエクスカーションがついていませんので、自分で申し込むことになります。大抵の場合、数時間のツアーでも数千円~1万円ほどで高額です。ロシアなどの場合はエクスカーションに参加しないとビザが必要になるか、上陸出来ない場合もありますので注意が必要です。
また、港から市街地までは、無料のバスが用意される場合もありますので、エクスカーションに参加せず、無料バスで市街まで出かけるのもいいでしょう。
ドキドキ!カジノに挑戦!
ダイヤモンド・プリンセスは外国船なのでカジノがあります。しかし、日本近海クルーズで港に停泊中、または日本領海を航行中には営業していません。
現在のところ、日本ではカジノは法律で認められていませんので、船内でカジノができるのはちょっとした冒険です。ブラックジャック、ルーレット、ポーカー、クラップス、バカラ、スロットマシーンがありますが、この機会にベットしてみてはいかがでしょうか?また、一攫千金がゲットできるジャックポットが開催される日もあるようです。詳しくは船内新聞をチェックです。
下船はどうするの?
いよいよ下船前日の航海となりました。
クルーズ中に「下船時間のご希望」という紙が配られます。
それに記入をし、スチュワードに渡します。
また、船内の有料レストランやエクスカーションで払うお金を精算しなければなりません。
船内デッキ6のフィエスタサービスには、明細書が24時間いつでもプリントできるプリンターがありますので、早めに明細書をチェックしておくといいでしょう。
下船直前になるととてもデスクが混み合います。
荷物を廊下に出す
また、デスクダイヤモンド・プリンセスは早朝に寄港地に到着しますので、前の晩にスーツケースを部屋の前に出しておくことになります。早く下船したい人は自分で荷物を持って下船するシステムもありますので、下船時間の希望の紙が配られた時にチェックを入れるといいでしょう。
通常は前日の夜にトランクなどの大きな荷物を廊下においておくと、クルーが運び出してくれるシステムです。指定時間までに廊下に出しておきますが、指定時間は部屋によって違います。その際、下船用のバゲージタグを必ず付けましょう。
また、携帯品、別送品申告書の記入も忘れずに。
クルーズカード精算
そしてクルーズカードの精算の時間がやってきました。おすすめなのは、事前にクレジットカードを登録しておくこと。そうすれば、追加料金があってもサービスデスクに寄る必要はありません。なお、この時には船内チップなどもチャージされますので、日数にもよりますが、1.2万円はプラスして支払うということを覚えておきましょう。明細に誤りがある、また不明な点は下船前にサービスデスクへ行きましょう。
下船日の注意事項は?
いよいよ下船日がやってきました。ダイヤモンド・プリンセスはたいてい早朝に帰港しますので早起きしなければなりません。客室は8時までに退出が必要です。
バゲージタグの色別に集合!
バゲージタグの色別に指定された場所へ集合。集合時間も指定されます。その後係員の指示に従って下船。ターミナルへ移動します。
入国審査は下船ターミナルで行われる場合が多いです。そしてターミナル内で、前夜に出した荷物を引き取り、入国審査を受けます。税関検査を受け、晴れて出口へ移動できます。
荷物破損はその場で申し出て!
その後荷物を配送する人は配送カウンターに荷物を預けます。もし荷物の破損があった場合はその場でプリンセスクルーズのスタッフに申し出ます。その場で申し出ないと修理の対応もしてもらえませんので注意が必要です。
まとめ
ダイヤモンド・プリンセスのクルーズの流れをざっとご紹介しましたが、いかがでしたか?クルーズは5日間のショートクルーズから20日のロングクルーズまでさまざまですが、だいたいこの流れでクルーズが行われます。
クルーズ旅行をしたことがないといろいろ不安で二の足を踏んでしまう人も多いと思いますが、少しでもお力になれれば幸いです。
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