あなたは北極に行ってみたいと思ったことはありますか?北極というと、何か研究チームの観測隊くらいしか行けないイメージですが、実は一般人向けのツアーやクルーズでのツアーも発売されているのです。
本格的な砕氷船やチャーター飛行機などを利用すると、お値段も張ってしまうのが難点ですが、ここでしか味わえない醍醐味を体験するのは、きっと一生の思い出になるでしょう。
今回は北極クルーズについてご紹介していこうと思います。
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「北極クルーズ」の概要

ライト兄弟の人類初飛行の6年後、人類ではじめてアメリカの探検家ピアリー将軍が北極点に到達したのは、1909年のことです。
当時の北極は、冒険家や研究機関の学者、気象関係の人たちだけが到達する領域でした。しかし、1980年代には日本でも故植村直己氏をはじめ、日本女性初の北極点到達で話題をさらった和泉雅子氏などが北極点に到達したのは有名ですね。
それが2001年になって、ついに民間人の北極点到達を目的とする旅行が発売されてきました。
北極クルーズの相場
北極って一体、どうやって行ったらいいのでしょうか?皆さんの中でも、疑問に思う人がおそらく大半だと思います。「北極に行ったことがある」しかも、クルーズで行ったという話を聞くと一部のお金持ちなのだな、というのは感覚的にわかりますよね。
いまやクルーズ旅行も低価格、庶民化しており、1泊1万円代のクルーズも多いですが、この北極クルーズに関しては、まだまだ高価です。季節的には6~8月の夏季、日程にすると8泊~13泊、費用は430万円~600万円(部屋のカテゴリによって違う)となります。
もっとも早期割引を適用すれば、1000ドル単位で割引になる場合も多いので、予定が立ったらすぐに申し込むのがいいでしょう。また、代理店となる旅行会社によってもかなりの料金の幅がありますので、よく調べてから申し込みましょう。
「北極クルーズ」といえばこの会社
では、具体的に「北極クルーズ」のツアーには、どんなものがあるのでしょうか?その一例として、「クォーク・エクスペディションズ社」が主催する、「砕氷船50イヤーズ・オブ・ビクトリー号で行く、北緯90度 地球の頂点に到達する北極点への船旅15日間」があります。
極地旅行なら「クォーク・エクスペディション社」
「クォーク・エクスペディション社」は、南極、北極など、極地旅行を専門にプロデュースするクルーズ会社として有名です。
アメリカ、バーモントに本社を置き、世界中の多くの研究者やマニアの間でも「極地旅行ならクォーク・エクスペディション」はもはや常識とも言えます。
それもそのはず、船内のスタッフも極地での経験を積んだ人ばかりで結成されており、極地に関する各分野での専門知識も非常に豊富なので安心です。
「砕氷船50イヤーズ・オブ・ビクトリー号」でいく
このクルーズで使用する「砕氷船50イヤーズ・オブ・ビクトリー号」とは、どんな船なのでしょうか?
・就航年/改装年 1989年
・総トン数 25,000トン
・乗員数 140名
・乗客数 128名
「砕氷船50イヤーズ・オブ・ビクトリー号」は、クォーク・エクスペディション社が所有する中でも最新、最大かつ最高性能の原子力砕氷船です(2017年4月現在)。なんと建造に50年もの月日を要しました。
ポーラー級の砕氷船で、船首はスプーン状の形になっています。デジタル自動制御システムを有し最大2.5メートルもの厚みの氷を割りながら進みます。
なんと動力に2基の原子力が使われているので、75,000馬力というとてつもないパワーを持っています。北極圏の海には夏でも2~3m級の厚さの氷が張っており、巨大な氷の塊とその氷を割りながら進んでいく船の姿は圧巻の一言に尽きます。
また、船内施設も大型客船と同等とはいきませんが、ダイニングやラウンジ、バー、ジム、プール、サウナなどの施設も整っていますので、快適な船内ライフを送ることが可能です。
「砕氷船50イヤーズ・オブ・ビクトリー号で行く北極点クルーズ」のルート
アムンゼン、ピアリー、クックと、長い間世界中の冒険家の憧れの地であった北極。いまや一般人でも、その北極に向けてのクルーズができる時代です。また、氷河だけではなく、白熊やイヌイットなどの先住民とのふれあいも大きな魅力です。
「北極点」を目指して
このクルーズはまず、日本から飛行機でフィンランドのヘルシンキまで飛びます。
その夜にはヘルシンキのホテルに一泊、明くる日、クオーク社のチャーター機で北緯66.33度のロシアのムルマンスクへ。午後、ムルマンスク港からいよいよ「砕氷船50イヤーズ・オブ・ビクトリー号」に乗船、出航します。
北緯90度の北極点までは、4日ほどかかり5日目にようやく北極点に到達します。その間、客室やデッキから砕氷船が氷を割りながら進んでいく様子を見学するのはもちろんですが、ヘリコプターで上空からそれを眺める様子も見学できます。(代金ツアーに込み)
「北極点」でのイベント
5日目には、北極点到達の盛大なお祝いイベントがあります。氷の上に上陸してのシャンパンでの乾杯。
北緯90度地点で、国旗を掲げての記念撮影でちょっとした冒険家気分を味わうことができます。また、氷上バーベキューや氷の海に飛び込む「ポーラー・プランジ」も人気のイベントです。
また、別料金となりますが、北極点の上空を熱気球に乗って遊覧するオプショナルツアーもあります。こちらは非常に天候に左右されますが、参加すると今までにない感動が味わえるようです。
また、釣りの好きな方は、氷上での「北極イワナ釣り」が楽しめる究極の釣り体験もできます。
北極点を南下
北極点での感動イベントの後、船は地球の頂点から南下していきます。美しく神秘的な海には白熊やアザラシが生息しており、その姿を船の上から眺める事ができるかもしれません。
2日後にはロシア領の191の島からなる、フランツ・ヨーゼフ諸島に到着します。
そのうちのひとつ、ノースブルック島の端のフローラ岬は、19世紀~20世紀の北極探検隊の終結地点としても知られています。この島の断崖には海鳥のコロニーがあり、ゾディアックボートで観光します。
また、海鳥やセイウチ、ホッキョクグマなどの生息地域にヘリコプターを使っての観光も予定されています。
バレンツ海を南進
さらに船は南下を続け、ロシアのバレンツ海にさしかかります。この海の名前はオランダの探検家、ウィレム・バレンツにちなんで命名された名前です。位置的には北欧とロシアの間にあります。
近年、この海の海氷が年々減少しており、低気圧の発生源となっていて北極の温暖化が進んでいることが、日本を含むユーラシア大陸の厳冬傾向の原因となっていることが問題視されています。
また、石油や天然ガスなどの地下資源が豊富なことから、1970年代よりロシアとノルウェーの間で紛争も起こっていましたが、2010年になってようやくその紛争にも終止符が打たれました。
ムルマンスク入港~ヘルシンキ経由で帰国へ
船は15日の北極点クルーズを終え、ロシアのムルマンスク港へ入港します。そこから行きと同様にクォーク社のチャーター機でヘルシンキへ。乗り換えて日本への帰国となります。
おわりに
いかがでしたか?人生で一度は体験したい、北極点クルーズをご紹介しました。
「地球の頂上」に立つという達成感と、大きな氷を割りながら進んでいく砕氷船、北極の自然を満喫しながらそこに生息する生物また、原住民とのふれあいなど、他の豪華客船では果たせない魅力があります。
北極海を航行するクルーズはもっと種類が豊富にありますが、北極点に到達する砕氷船でのクルーズとなると、このクォーク社をはじめ、数社に限られるようです。
また、このクオーク社の北極点クルーズは2018年で終了するということが決定しているため、終了間際には世界中からの予約も殺到し、クルーズ代金も値上がりすることが予想されます。北極点クルーズを計画中の方は早めに予約をするのがいいのではないでしょうか?
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